運送業のしごと 手続きと制度を、現場の側から
緑ナンバーを取る 一次資料で確認 2026-08-02 更新 2026-08-02

車庫が営業所と離れていても、10kmまでなら許可は通る

要点

  • 許可要件は資金だけでなく、人・場所・車両の3系統があります
  • 営業所と車庫が離れている場合、距離は原則10km以内(特別区・横浜市・川崎市は20km以内)です
  • 睡眠施設を設ける場合、1人あたり2.5㎡以上の面積が要ります
  • 施設は都市計画法・農地法・建築基準法などの用地規制に適合している必要があります
  • 申請者や役員が欠格事由に該当すると、資金があっても許可されません

資金要件だけクリアしても通りません

資金要件の積み上げ計算を満たしていても、それだけで許可が下りるわけではありません。許可基準は大きく分けて、人的要件・物的要件・欠格事由の3系統があります。

車庫は営業所から離れていてもかまいません。ただし距離に上限があります

車庫は原則として営業所に併設が望ましいのですが、離れた場所に確保することもできます。ただし無制限ではなく、休憩・睡眠施設のある場所から車庫までの距離が原則10km以内、東京都特別区・横浜市・川崎市では20km以内という制限があります。

営業所・休憩睡眠施設から車庫まで 緑ナンバー・原則 10km以内 特別区・横浜市・川崎市 10km以内 特例で20km以内 軽貨物(参考) 2km以内 緑ナンバーのほうが広い 0 2km 10km 20km 車庫は営業所への併設が原則。離す場合にこの上限がかかる
緑ナンバーの距離要件は原則10km以内、特別区・横浜市・川崎市は20km以内

軽貨物の車庫要件(黒ナンバーの記事で触れた2km以内)より、緑ナンバーのほうが範囲が広くなっています。車両台数が多くなる分、まとまった土地を確保しやすい郊外に車庫を置き、営業所は別の場所にする、という構成が現実的になりやすいためです。

休憩・睡眠施設には面積の条件があります

運転者が休憩や仮眠を取るための施設を設ける場合、1人あたり2.5㎡以上の面積が求められます。長距離輸送で運転者を宿泊させる前提の事業計画なら、この面積を確保できる建物かどうかを、契約前に確認しておく必要があります。

施設は用地規制もクリアする必要があります

営業所や車庫として使う土地・建物は、都市計画法・農地法・建築基準法など、運送事業とは別の法律の規制も受けます。市街化調整区域や農地のままの土地では、そのまま車庫として使えないことがあります。

安い土地を先に押さえてから許可要件を確認すると、用途変更の手続きが別途必要になり、想定より時間がかかることがあります。土地を決める前に、運輸支局か行政書士に用地の適否を相談したほうが安全です。

欠格事由に該当すると、資金があっても許可されません

申請者(法人なら役員)が一定の欠格事由に該当する場合、他の要件をすべて満たしていても許可されません。過去に運送事業の許可を取り消されてから一定期間が経っていない、といったケースが典型です。

個人で複数の事業を渡り歩いてきた場合は、過去の行政処分歴が影響することがあるため、事前に確認しておく価値があります。

つまずきやすい点

  • 車庫の土地は契約前に用途規制を確認してください。農地や市街化調整区域は転用手続きが別に要ります
  • 睡眠施設の面積は事業計画に合わせて逆算します。何人分の宿泊を想定するかで必要な床面積が変わります
  • 距離要件は地域によって異なります。特別区・横浜市・川崎市は20kmまで許容されますが、それ以外は10kmが基準になります
  • 過去の行政処分歴がある場合は早めに確認してください。欠格事由に該当すると資金があっても意味がありません

関連する手続き

資金要件の計算方法は緑ナンバーの資金要件にまとめてあります。運行管理者・整備管理者という人的要件については別記事で扱います。

この手続きの前後