法令試験に2回落ちると、許可申請は却下されて振り出しに戻る
要点
- 標準処理期間はおおむね3〜5か月です。書類が揃ってからの期間で、準備期間は別にかかります
- 申請の途中で、申請者(役員)が法令試験を受ける必要があります
- 法令試験の合格率はおおむね5〜6割です。2回不合格になると申請が却下され、再申請からやり直しになります
- 試験範囲は貨物自動車運送事業法など13の法令です。50分で19〜30問、30問中24問以上で合格になります
スケジュールの山場は法令試験です
一般貨物自動車運送事業の許可は、書類を揃えて出せば自動的に進むものではありません。審査の途中で、申請者本人(法人なら常勤役員)が法令試験を受けるという関門があります。ここで躓くと、全体のスケジュールが大きく崩れます。
試験の中身
出題範囲は、貨物自動車運送事業法、道路運送法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、改善基準告示など13の法令にまたがります。試験時間は50分、出題数は19〜30問で、○×方式と語群選択方式です。30問中24問以上の正解で合格になります。
合格率はおおむね5〜6割とされています。難易度としては極端に高くはありませんが、無対策で臨んで通る試験でもありません。
2回落ちると、また一から申請することになります
ここが最大のリスクです。試験に不合格でも、2か月後に再試験を受けられます。ただし2回連続で不合格になると、申請そのものが却下されます。却下されたら、また新規に申請をやり直すことになり、それまでの審査期間がすべて無駄になります。
資金要件を満たすために自己資金を積んでおく必要がある(緑ナンバーの資金要件をご覧ください)ことを考えると、却下による差し戻しは資金繰りへの影響も大きくなります。試験対策は、書類準備と並行して早い段階から始めたほうが安全です。
全体のスケジュール
標準処理期間はおおむね3〜5か月とされています。これは書類を提出してから許可が下りるまでの審査期間の目安で、書類を揃える準備期間や、許可後の登録手続きは別にかかります。
大まかな流れは、事業計画の策定 → 車両・営業所・車庫の確保 → 資金の準備 → 申請書類の作成・提出 → 法令試験 → 許可 → 登録免許税の納付 → 運輸開始、という順序になります。法令試験は申請受理後のどこかのタイミングで実施されます。
つまずきやすい点
- 法令試験の対策を後回しにしないでください。書類準備に気を取られて試験勉強が直前になると、不合格のリスクが上がります
- 2回不合格のリスクを資金計画に織り込んでください。却下されると再申請になり、その間も自己資金の維持義務は続きます
- 標準処理期間は「審査だけ」の期間です。準備期間を含めた全体の目安として、もっと長く見ておいたほうが現実的です
- 申請者本人が試験を受けます。代理人が代わりに受験することはできません
関連する手続き
資金要件の計算方法は緑ナンバーの資金要件、許可要件全体は許可要件(営業所・車庫・欠格事由)にまとめてあります。
この手続きの前後
- 緑ナンバーの資金要件は「2,000万円」ではなく積み上げ計算
一般貨物自動車運送事業の資金要件は、人件費6か月分・燃料費等2か月分・車両費と保険1年分を積み上げて算出します。1,500万〜3,000万円という幅は、この計算式が事業計画によって変わるために生まれます。
- 車庫が営業所と離れていても、10kmまでなら許可は通る
一般貨物自動車運送事業の許可要件には、営業所・車庫・休憩睡眠施設の距離制限があります。原則10km以内、東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内。欠格事由に該当すると、資金があっても許可されません。
- 軽貨物の運行管理経験は、運行管理者試験の実務要件に数えられない
運行管理者試験の受験資格になる実務経験は、貨物軽自動車運送事業を除いた事業用自動車の運行管理に限られます。軽貨物での経験は資格要件に算入されず、基礎講習を受けるか資格者を雇うことになります。