軽貨物の運行管理経験は、運行管理者試験の実務要件に数えられない
要点
- 緑ナンバーには運行管理者と整備管理者、2つの資格者の選任が要ります
- 運行管理者試験の受験資格は「実務経験1年以上」または「基礎講習修了」のどちらかです
- 実務経験としてカウントされるのは緑ナンバー等の運行管理であって、軽貨物(貨物軽自動車運送事業)の経験は含まれません
- 整備管理者は、整備士資格を持つか、実務経験2年+選任前研修が要ります
軽貨物の経験は「実務経験」に入りません
軽貨物から緑ナンバーへ進む事業者が見落としやすいのがここです。運行管理者試験の受験資格になる実務経験は、貨物軽自動車運送事業を除いた自動車運送事業者の事業用自動車、または緑ナンバーの運行管理に限られます。
つまり、軽貨物を何年やっていても、その経験は運行管理者試験の受験資格としては数えられません。ご自身が運行管理者になるつもりなら、基礎講習を修了するルートで受験資格を得ることになります。
運行管理者になる2つのルート
実務経験ルート
過去5年以内に通算1年以上、緑ナンバー等の運行管理の実務経験があることが条件です。軽貨物のみの経験者はこのルートを使えません。
基礎講習ルート
国土交通大臣が認定する講習実施機関で基礎講習を修了すれば、実務経験がなくても受験資格が得られます。軽貨物から緑ナンバーへ進む事業者の多くは、こちらのルートで受験資格を得ることになります。
どちらのルートで受験資格を得ても、試験そのものに合格しなければ運行管理者にはなれません。自分で資格を取る代わりに、すでに資格を持っている方を雇う、という選択肢もあります。
整備管理者は資格か実務経験、どちらかです
整備管理者の選任要件は2つのルートがあります。
ひとつは資格によるルートで、3級以上の自動車整備士の資格を持っていることが条件になります。
もうひとつは実務経験によるルートです。整備する自動車と同種の自動車の点検・整備、または整備管理に関して2年以上の実務経験があり、かつ整備管理者選任前研修を修了していることが条件になります。
整備士資格を持っていない場合は、実務経験2年と研修受講の両方が要ります。研修は、整備管理者への選任を予定している方が対象で、すでに研修を修了した方や整備士資格を持つ方は対象外になります。
自分でやるか、雇うか
車両5台程度の小規模な事業立ち上げでは、経営者自身が運行管理者を兼ねるケースも多いです。ただし軽貨物からの転身だと実務経験がカウントされないため、基礎講習を受けてから試験に臨む必要があります。
講習の受講から試験合格まで一定の期間がかかるので、緑ナンバーへの切り替えを考え始めた段階で、資格取得のスケジュールも並行して立てたほうが安全です。資格者をすでに雇っている、あるいは雇う予定があるなら、この期間の制約は小さくなります。
つまずきやすい点
- 「軽貨物を何年もやっているから大丈夫」という思い込みにご注意ください。実務経験として認められません
- 基礎講習の受講から試験までのスケジュールを事業計画に組み込んでください。直前に気づくと開業時期がずれます
- 整備管理者の実務経験は「同種類の自動車」に限られます。二輪車とそれ以外で区分が分かれます
- 研修は選任予定者が対象です。整備士資格があれば研修は不要になります
関連する手続き
許可要件全体の話は許可要件(営業所・車庫・欠格事由)にまとめてあります。資金要件は緑ナンバーの資金要件をご覧ください。
この手続きの前後
- 緑ナンバーの資金要件は「2,000万円」ではなく積み上げ計算
一般貨物自動車運送事業の資金要件は、人件費6か月分・燃料費等2か月分・車両費と保険1年分を積み上げて算出します。1,500万〜3,000万円という幅は、この計算式が事業計画によって変わるために生まれます。
- 車庫が営業所と離れていても、10kmまでなら許可は通る
一般貨物自動車運送事業の許可要件には、営業所・車庫・休憩睡眠施設の距離制限があります。原則10km以内、東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内。欠格事由に該当すると、資金があっても許可されません。
- 法令試験に2回落ちると、許可申請は却下されて振り出しに戻る
一般貨物自動車運送事業の許可には、申請者(役員)が受ける法令試験があります。合格率は5〜6割程度で、2回不合格になると申請そのものが却下され、また一から申請をやり直すことになります。