行政書士に頼むと、書類作成のみと申請後まで込みで報酬が2倍以上違う
要点
- 行政書士報酬は事務所によって20万円台〜80万円近くまで幅があります
- 差の主な理由は対応範囲です。書類作成のみか、法令試験対策・許可後手続きまで含むかで変わります
- 報酬とは別に、登録免許税などの法定費用が約12万円かかります
- 自分で申請すれば報酬分は浮きますが、法令試験対策と書類の作り直しリスクは自分で負うことになります
報酬の幅は「どこまでやってもらうか」の差です
一般貨物自動車運送事業の許可申請を行政書士に依頼する場合の報酬は、事務所によって大きく違います。実際に公開されている料金表を見ると、書類作成中心のプランで33万円程度から、法令試験対策や許可後の運輸支局での手続きまで含むフルサポートで77万円程度まで、事務所によって倍以上の開きがあります。
この差は、サービスの質の差ではなく対応範囲の差です。安いプランは書類の作成と提出代行が中心で、法令試験の対策は自分で行います。高いプランは試験対策から許可後の登録手続きまで一括で面倒を見てもらえます。
報酬とは別に法定費用がかかります
行政書士報酬とは別に、登録免許税などの法定費用がおおむね12万円かかります。これは行政書士に頼んでも自分で申請しても同じようにかかる、避けられない費用です。
見積もりを比較するときは、行政書士報酬と法定費用が別立てになっているかを確認してください。合計額で比較しないと、実質的な差を見誤ります。
自分で申請する場合に負うもの
行政書士に頼まず自分で申請すれば、報酬分の数十万円は浮きます。ただし、その分を自分で負うことになります。
書類の作成と収集。定款、事業計画書、資金計画書、車両や土地の権原を証する書類など、種類が多く、書き方の細部で差し戻しを受けることがあります。
法令試験の対策。合格率5〜6割の試験を、独学で乗り切る必要があります。2回不合格になると申請が却下されるリスクは、自分で申請する場合も行政書士に頼む場合も変わりません。
運輸支局とのやり取り。補正の指示が来た場合、内容を理解して対応する必要があります。運送業に不慣れだと、指示の意図を汲み取るだけで時間がかかることがあります。
書類作成に慣れていて、平日に運輸支局とやり取りする時間が取れるなら、自分で申請する選択肢は十分にあります。逆に、本業を止めずに開業準備を進めたいなら、報酬を払ってでも時間を買う価値はあります。
つまずきやすい点
- 見積もりは法定費用込みか別立てかを確認してください。合計額でないと事務所間の比較になりません
- 安いプランほど対応範囲が狭くなります。法令試験対策が含まれるかどうかは必ず確認してください
- 自分でやる場合も、法令試験のリスクは変わりません。ここは行政書士に頼んでも代わりに受けてもらえません
- 補正対応にかかる時間を見込んでおいてください。自分で申請する場合、平日の運輸支局対応が発生します
関連する手続き
申請全体のスケジュールと法令試験については法令試験に2回落ちると、許可申請は却下されて振り出しに戻るにまとめてあります。
この手続きの前後
- 緑ナンバーの資金要件は「2,000万円」ではなく積み上げ計算
一般貨物自動車運送事業の資金要件は、人件費6か月分・燃料費等2か月分・車両費と保険1年分を積み上げて算出します。1,500万〜3,000万円という幅は、この計算式が事業計画によって変わるために生まれます。
- 車庫が営業所と離れていても、10kmまでなら許可は通る
一般貨物自動車運送事業の許可要件には、営業所・車庫・休憩睡眠施設の距離制限があります。原則10km以内、東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内。欠格事由に該当すると、資金があっても許可されません。
- 軽貨物の運行管理経験は、運行管理者試験の実務要件に数えられない
運行管理者試験の受験資格になる実務経験は、貨物軽自動車運送事業を除いた事業用自動車の運行管理に限られます。軽貨物での経験は資格要件に算入されず、基礎講習を受けるか資格者を雇うことになります。