軽バンは荷室が0.6㎡ないと貨物登録できない
要点
- 軽貨物で使う車は、乗用登録ではなく貨物登録(4ナンバー)である必要があります
- 貨物登録には保安基準があり、乗用車をそのまま転用できるわけではありません
- 荷室の床面積は0.6㎡以上、積卸口は縦60cm×横80cm以上が目安になります
- 積載可能重量が乗車定員の重量を上回っていることも条件に入ります
- 委託先によっては車種・年式・ボディタイプを指定してくることがあります
どんな軽自動車でも貨物登録できるわけではありません
軽貨物イコール「軽自動車で荷物を運ぶ仕事」というイメージは間違っていませんが、使える車には条件があります。事業用として届け出るには、その車が4ナンバー、つまり貨物軽自動車として登録されている必要があります。
普通の軽自動車(5ナンバー・乗用登録)をそのまま黒ナンバーにはできません。構造要件を満たしたうえで、構造変更の検査を通す必要があります。
貨物登録の主な条件
保安基準として挙げられる代表的な数値は次の通りです。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 荷室の床面積 | 0.6㎡以上 |
| 積卸口の寸法 | 縦60cm×横80cm以上 |
| 積載部分と座席部分の広さ | 積載部分のほうが広いこと(運転席・助手席を除く) |
| 積載可能重量と定員重量 | 積載可能重量が定員の重量(1人55kg換算)を上回ること |
| 車体サイズ・排気量 | 全長3.4m以下・全幅1.48m以下・全高2m以下・総排気量660cc以下(軽自動車の規格そのもの) |
要するに「人を運ぶための車」ではなく「荷物を運ぶための車」であることを、寸法と重量の両面で示す必要がある、ということです。後部座席をそのまま残した乗用車ベースの軽自動車は、この条件を満たせないことが多いです。
新車で選ぶなら、最初から貨物登録モデルを
エブリイやハイゼットカーゴのような軽バンは、最初から貨物登録(4ナンバー)を前提に設計されています。新車で買う場合は、これらの貨物モデルを選べば構造要件で悩む必要がありません。
逆に、乗用登録の軽自動車を中古で安く買って構造変更しようとすると、座席の取り外しや荷室の作り直しが必要になり、検査費用も含めて想定より高くつくことがあります。
委託先が車種を指定してくることがあります
軽貨物ドライバーとして元請けの業務委託を受ける場合、荷物の種類によっては車種・ボディタイプ・年式に条件がつくことがあります。ハイルーフタイプを指定される、一定年式以降の車両を求められる、といったケースです。
先に車両を決めてから委託先を探すと、条件が合わずに選べる仕事の幅が狭まることがあります。委託先の候補がある程度絞れているなら、その委託先が求める車両条件を先に確認してから車を選んだほうが手戻りがありません。
つまずきやすい点
- 乗用車をそのまま貨物登録できると誤解しないでください。保安基準を満たすための構造変更が要る場合があります
- ハイブリッド・EVの軽バンは選択肢が増えています。燃料費を抑えたい場合は検討の価値がありますが、車両価格は高めになりやすいです
- 中古車は年式によって委託先の条件に合わないことがあります。先に委託先の車両条件を確認してください
- 荷室の作りは配送する荷物によって向き不向きがあります。小型の個数を多く運ぶか、大きい荷物を積むかで、選ぶべきボディタイプが変わります
関連する手続き
車両にかかる費用の全体像は開業費用の内訳にまとめてあります。届出手続きそのものは黒ナンバーは届出だけで取れるをご覧ください。
この手続きの前後
- 黒ナンバーは届出だけで取れる。つまずくのは運賃料金表
軽貨物の開業は届出制。運輸支局への手数料はかからず、実費はナンバープレート代の2,000円前後だけ。書類4種類のうち運賃料金表だけは様式がなく、自分で中身を作ります。
- 運賃料金表には様式がない。だから自分で組む
黒ナンバーの届出で唯一つまずくのが運賃料金表。距離制と時間制、割増、諸料金という構成は決まっていますが、金額は自分で決めます。標準的な運賃は軽貨物には適用されません。
- 黒ナンバーの保険は2階建て。任意保険だけでは荷物を守れない
事業用の任意保険は自家用と別区分で、引き受ける会社も限られます。さらに預かった荷物の損害は自動車保険では基本的に補償されず、貨物保険を別に用意する必要があります。