軽貨物の開業費用は、車両を買うかリースするかで半分近く変わる
要点
- 開業費用「50万〜200万円」の幅は、ほぼ車両の調達方法で決まります
- 新車なら100万円超、中古なら数十万円、リースなら初期費用をほぼゼロにできます
- 黒ナンバーの届出手数料と任意保険は別記事で扱いました。ここでは車両・駐車場・運転資金を見ます
- リースは初期費用を抑えられる代わりに、月々の固定費が長く続きます
内訳を4つに分けます
軽貨物の開業費用としてよく見る「50万〜200万円」は、中身を分けずに合計だけ見ると判断しづらいものです。要素は大きく4つあります。
| 項目 | 変動要因 |
|---|---|
| 車両 | 新車/中古/リースで数十万〜百数十万円の差 |
| 駐車場 | 地域差が大きい。都心は月極が高額 |
| 什器・備品 | 台車、ラッシングベルト、防寒具など |
| 当面の運転資金 | 入金サイトが空くため、数か月分の生活費相当 |
手続きそのものの費用(黒ナンバーの届出にまとめた通りナンバープレート代の2,000円前後だけ)は、この中では誤差に近いものです。差がつくのはほぼ車両になります。
車両: 新車・中古・リースの分かれ目
新車
100万〜150万円前後が目安です。まとまった初期費用が要りますが、故障リスクが低く、しばらく買い替えを考えなくて済みます。
中古
状態の良いもので50万円前後、程度を妥協すれば25万〜30万円程度からあります。初期費用は抑えられますが、年式や走行距離によっては早期の修理費がかさむ可能性があります。
リース
新車リースで月額2万〜4万円程度、中古車リースで月額1.5万〜3万円程度が相場とされています。初期費用をほぼゼロに近づけられる代わりに、契約期間中は毎月の固定費として乗り続けることになります。
開業初月から確実に稼働できる見込みがあるならリースで固定費化し、貯蓄に余裕があるなら中古を現金で買って月々の負担を軽くする、という選び方になります。どちらが得かは、想定する稼働期間と、その車をどれだけ長く使うつもりかで変わります。
駐車場は地域差が一番大きいところです
車庫は開業手続きの記事で触れた通り、営業所に併設できなければ2km以内の場所を確保する必要があります。この駐車場代が、都心部では月極相場そのものが高く、開業費用の中で見落とされがちな固定費になります。
自宅に駐車スペースがあるかどうかで、ここは大きく変わります。
運転資金は「稼げるようになるまで」の分です
軽貨物は、委託先との契約によっては入金が翌月末や翌々月になることがあります。走り始めてすぐに収入が入るとは限りません。
この間の生活費・燃料代・車両維持費をどれだけ手元に残しておくかが、実質的な開業資金になります。車両とナンバーが揃っていても、この運転資金が尽きて撤退する事例は少なくありません。
つまずきやすい点
- リースの月額だけを見て、総支払額を比較しないでください。契約期間×月額で、新車購入とどちらが結果的に安いかを計算しておきます
- 保険料は事業用のほうが2〜3割高くなります。任意保険と貨物保険を先に見積もってから、車両にかけられる予算を逆算したほうが安全です
- 駐車場の契約は開業前に済ませる必要があります。届出書の車庫の欄を埋めるのに要るため、後回しにできません
- 運転資金を車両代に全部使い切らないでください。入金までの空白期間を乗り切れるかを先に計算します
関連する手続き
車両を貨物登録にする条件や、届出そのものの流れは黒ナンバーは届出だけで取れるにまとめました。保険の選び方は黒ナンバーの保険は2階建てをご覧ください。
この手続きの前後
- 黒ナンバーは届出だけで取れる。つまずくのは運賃料金表
軽貨物の開業は届出制。運輸支局への手数料はかからず、実費はナンバープレート代の2,000円前後だけ。書類4種類のうち運賃料金表だけは様式がなく、自分で中身を作ります。
- 運賃料金表には様式がない。だから自分で組む
黒ナンバーの届出で唯一つまずくのが運賃料金表。距離制と時間制、割増、諸料金という構成は決まっていますが、金額は自分で決めます。標準的な運賃は軽貨物には適用されません。
- 黒ナンバーの保険は2階建て。任意保険だけでは荷物を守れない
事業用の任意保険は自家用と別区分で、引き受ける会社も限られます。さらに預かった荷物の損害は自動車保険では基本的に補償されず、貨物保険を別に用意する必要があります。