巡回指導でD・E評価がつくと、運輸支局に通報されて監査に進む
要点
- 巡回指導は、トラック協会系の実施機関が行う指導で、それ自体に処分権限はありません
- 評価は7区分38項目、適正率でA〜Eの5段階です
- 9つの重要項目のうち1つでも「否」があると、総合評価が1段階下がります
- D・E評価がつくと運輸支局に通報され、処分権限を持つ監査の対象になりえます
巡回指導と監査は別物です
「運輸支局が来る」というイメージで語られがちですが、巡回指導と監査は実施主体も権限も違います。
巡回指導は、貨物自動車運送適正化事業実施機関(実質的にはトラック協会系の組織)が、法令違反なく事業を実施できているかを定期的にチェックするものです。それ自体に行政処分の権限はありません。
監査は、運輸支局が行う調査です。法令違反が確認されれば行政処分に直結します。
巡回指導は「指導」であって処分ではありませんが、結果次第で監査につながるという点が重要になります。
評価は7区分38項目、5段階です
巡回指導のチェック項目は7区分38項目にまとめられています。適正率にもとづいてA〜Eの5段階で評価されます。
| 適正率 | 評価 |
|---|---|
| 90%以上 | A |
| 80%以上90%未満 | B |
| 70%以上80%未満 | C |
| 60%以上70%未満 | D |
| 60%未満 | E |
38項目のうち9項目は重要項目とされ、この9項目に1つでも「否」がつくと、算出された総合評価が1段階下がります。適正率だけを見て安心していると、重要項目の見落としで評価が下がることがあります。
D・E評価は運輸支局に通報されます
D評価またはE評価がつくと、運輸支局に通報され、監査の対象になりえます。巡回指導自体には処分権限がなくても、評価が悪ければ処分権限を持つ運輸支局の監査につながる、という仕組みです。
これはGマークの評価にも関わってきます。法令順守状況の評価には巡回指導の結果が使われるため、巡回指導での評価が低いと、Gマーク認定の可否にも影響します。
重要項目は日常の記録に集中しています
重要9項目の詳細は事業者ごとに変わりえますが、点呼の実施記録、運転者の指導・教育記録、改善基準告示にもとづく拘束時間・休息期間の管理記録など、日常業務の記録が整っているかどうかが重要項目の中心になりやすいです。
一度きりの対応で乗り切れるものではなく、日々の記録の積み重ねがそのまま評価に反映されます。
つまずきやすい点
- 巡回指導を「処分権限がないから軽い」と扱わないでください。D・E評価は監査の入り口になります
- 重要9項目を優先して整備してください。1つの「否」で総合評価が1段階下がる影響は大きいものです
- 記録は事後に作れません。日々の点呼記録・業務記録の積み重ねがそのまま評価対象になります
- Gマークを目指すなら、巡回指導対策と表裏一体で進めてください。評価基準が重なっている部分が多いです
関連する手続き
法令違反時の処分の仕組みは改善基準告示に違反すると、車両停止が10日単位で積み上がっていく、点呼の実務は点呼のやり方とアルコールチェック義務、Gマークの評価基準はGマークの事故率は、未取得事業所の半分以下にまとめてあります。
この手続きの前後
- 軽貨物の安全管理者、既存事業者の期限は2027年3月31日
2025年4月から、貨物軽自動車運送事業者は営業所ごとに安全管理者を選任する義務を負います。台数の要件はなく、一人で車1台でも対象です。講習は5時間3,700円、届出を怠ると100万円以下の罰金です。
- 改善基準告示に違反すると、車両停止が10日単位で積み上がっていく
拘束時間・休息期間・連続運転時間の上限は努力目標ではありません。違反は労働基準監督署と運輸支局という別々の窓口から処分され、運輸支局側は10日車を1点として累積し、50点で事業停止、80点で許可取消に進みます。
- Gマークの事故率は、未取得事業所の半分以下
Gマーク(安全性優良事業所)は101点中80点以上でクリアする認定制度で、保険料割引やIT点呼の優遇など12項目のインセンティブがあります。有効期間は初回2年、以降段階的に延び最長4年です。