大型免許、21歳の壁は19歳まで下げられる
準拠した制度: 令和4年5月13日改正(道路交通法施行規則)
要点
- 大型免許は原則21歳以上、普通免許を3年以上持っていないと受けられません
- 特例教習を受ければ19歳・普通免許保有1年以上まで下げられます
- 特例には2種類あり、必要な教習時間が違います。年齢引き下げは7時限、経験年数引き下げは29時限です
- 19〜20歳で取得すると「若年運転者期間」に入り、違反が重なると講習義務が発生します
- 費用は所持免許によって変わります。普通車MT所持なら35〜45万円が目安です
21歳を待たなくてかまいません
大型トラックのドライバーになりたいけれど、まだ21歳に届いていない。あるいは普通免許を取ったばかりで、3年が経っていない。そうした方も、それを理由に諦める必要はありません。
2022年5月の法改正で、大型免許・中型免許・第二種免許に受験資格特例が設けられました。特例教習を修了すれば、19歳以上・普通免許等の保有期間が通算1年以上まで受験資格が下がります。
ただし2種類の特例があって、埋める要件が違います。
| 通常 | 特例適用 | |
|---|---|---|
| 年齢 | 21歳以上 | 19歳以上 |
| 普通免許の保有期間 | 3年以上 | 通算1年以上 |
年齢だけを引き下げたいのか、保有期間も引き下げたいのかで、受ける教習の中身と時間数が変わります。
特例教習は2つあって、時間数が違います
ひとつは年齢要件を引き下げる教習で、自己制御能力に関する内容です。座学と実車を含めて7時限以上かかります。
もうひとつは経験年数要件を引き下げる教習で、危険予測・回避能力に関する内容です。座学と実車を含めて29時限以上と、こちらのほうがかなり重くなります。
19歳で受験資格を得るには、両方の要件を引き下げる必要があるので、実質的に両方の特例教習を受けることになります。
免許合宿のプランを選ぶときは、この教習が組み込まれているかを先に確認しておいてください。組み込まれていないプランだと、あとから別に予約を取ることになります。
若くして取ると、若年運転者期間がついてきます
特例で19〜20歳のうちに大型・中型・第二種免許を取得すると、本来の年齢要件(21歳または20歳)に達するまでの期間が若年運転者期間になります。
この期間中に交通違反を重ねて累計3点以上になると、若年運転者講習(9時間)の受講が義務になります。受講しないと免許が取り消されます。若くして取れることの引き換えに、この期間だけ通常より厳しい運用がかかる、と理解しておいてください。
費用は所持免許で決まります
大型免許の取得費用は、すでに持っている免許の種類によって大きく変わります。
| 所持免許 | 目安費用 | 最短日数(合宿) |
|---|---|---|
| 普通車MT | 35万〜45万円 | 13日 |
| 準中型車 | 28万〜35万円 | 11日 |
| 中型車 | 16万〜25万円 | 7日 |
すでに中型免許をお持ちなら、大型は追加で取る形になり、費用も日数もかなり圧縮されます。逆に普通車免許しかない場合は、中型を経由せず大型へ直接進むプランと、中型を先に取ってから大型に進むプランの両方があります。
教育訓練給付でいくら戻るか
大型免許の講座は、教育訓練給付制度の対象になっていることがあります。ただしすべての教習所・すべてのプランが対象ではありません。申し込む前に、その講座が指定講座かどうかを確認する必要があります。
給付には2種類あり、対象講座によってどちらになるかが決まります。
一般教育訓練給付金は、訓練経費の20%、上限10万円です。
特定一般教育訓練給付金は、訓練経費の最大50%、上限25万円になります。まず40%が支給され、資格取得などの条件を満たした後に残り10%を追加申請する2段階の仕組みです。
特定一般のほうが還付率は高いのですが、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きが要ります。教習所に申し込んでから慌てて動くと間に合いません。
受給資格そのものにも条件があります。雇用保険の被保険者(在職者)なら支給要件期間が3年以上(初めての受給なら1年以上)。離職者の場合は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、かつ同じ支給要件期間を満たしていることが条件です。
つまずきやすい点
- 特例教習を組み込んでいない合宿プランがあります。19歳での受験を考えているなら、申し込み前に特例教習の有無を確認してください
- 教育訓練給付は講座ごとの指定です。同じ教習所でも、プランによって対象・対象外が分かれることがあります
- 給付の手続きは受講前に始まります。受講が始まってからハローワークに行っても、特定一般教育訓練給付金には間に合いません
- 若年運転者期間中の違反は重い意味を持ちます。通常なら気にしない点数でも、講習義務の対象になりえます
関連する手続き
免許を取ったあとの選択肢は仕事を変えるにまとめています。合宿と通学のどちらを選ぶかは合宿は最短日数、通学は仕事を続けながらを、けん引・大特が必要になる場面はけん引免許が要るのは、被けん引車が750kgを超えてからをご覧ください。
参照した一次資料
- www.npa.go.jp
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/jyuken_tokurei.html - www.mhlw.go.jp
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
このページの制度に関する記述は、上の資料を2026-08-02時点で確認して書いています。 確認できなかった項目は本文中でその旨を明記しています。
この手続きの前後
- 合宿は最短日数、通学は仕事を続けながら。二択の基準は生活のほう
免許合宿は決められた期間に集中して取得できる代わりに、その間は仕事や生活を止める必要があります。通学は自分のペースで進められますが、卒業までの期間が読みにくくなります。向き不向きは取得速度より生活条件で決まります。
- 8t限定解除は技能教習4〜5時限、学科は要らない
中型免許(8t限定)から限定を解除するには、学科教習なしで技能教習4〜5時限と審査だけで済みます。教習所によって費用の幅が大きく、6万円台から12万円台まで開きがあります。
- けん引免許が要るのは、被けん引車が750kgを超えてから
トレーラーなどを引く場合、連結される側の車両総重量が750kgを超えるとけん引免許が要ります。フォークリフトやクレーン車を公道で運転するには大型特殊免許が要りますが、作業そのものには別の技能講習が要ります。